農学部同窓会 70周年

渡辺 仁

農学部同窓会長
1977(昭和52)年卒

新潟大学農学部同窓会
創立70周年を迎えるにあたって

 新潟大学農学部は、1949(昭和24)年前身の新潟県立農林専門学校を母体に、市内河渡(新潟市東区小金町地内)において、農学科・林学科・総合農学科の3学科で発足しました。その後、幾たびかの学科改組や五十嵐キャンバス(新潟市西区五十嵐)への移転を経て、2017(平成29)年に1学科5主専攻プログラム体制に移行し、理学部との学部横断型プログラムを新設する等、「生命」、「食料」、「環境」の教育研究を更に充実させて現在に至っております。

 新潟大学では、世界初の学問領域「日本酒学」の創設を目的に、2017(平成29)年に新潟県及び新潟県酒造組合と連携協定を締結し、2018(平成30)年に3者の連携協定に基づき、新潟大学に日本で初めてとなる「日本酒学センター」を設置しました。このセンターの設置や運営、教育には農学部の教員が中心的な役割を果たすとともに、多くの教員が貢献しています。また、就職率は全学部の中でも高く、就職に強い学部として紹介されており、これまでに9,500余名の卒業生を輩出し、各分野で活躍しております。こうした母校の発展は、同窓生各位による農学部の教育実践・学術活動へのご理解とご支援の賜と衷心より感謝する次第です。

 1953(昭和28)年に創立された同窓会の活動も少しずつ充実し、2013(平成25)年の創立60周年では、学部校舎の大規模改修に併せて、記念事業「同窓生と学生の思いを、未来へつなげる森づくり」をテーマに、あらたな「嵐丘庭」を学生と同窓生の協力で整備しました。成長した現在の「嵐丘庭」は、学部関係者はもとより地域住民にも親しまれ、癒しの場として利用されていると伺っております。しかし、10年が経過し植樹した樹木も大きくなり、設置された木道も経年劣化が否めず、関係者からは、今後の維持管理を見据えた再整備の要望が出されております。

 この度、農学部同窓会創立70周年を迎えるにあたり、日本酒にまつわる記念講演や記念誌作成及び「嵐丘庭」の再整備を中心とした記念事業を計画しております。同窓生各位におかれましては、趣旨をご理解いただきご協力を賜りますようお願い申し上げます。

創立70周年記念事業の内容

〇記念式典及び記念講演会の開催
〇記念誌の作成
〇「嵐丘庭」の再整備

同窓会創立70年を祝して

伊藤 忠雄

新潟大学名誉教授
1967(昭和42)年卒

 農学部同窓会の創立70周年おめでとうございます。同窓会設立から今日に至るまで、会の運営に携わってこられた先輩各位ならびに同窓生諸氏に深く敬意を表します。

 私は飯豊の山脈を臨む河渡キャンパス時代に卒業した者ですが、以来この母校で40年余りを同窓生と教員という二つの立場で、国内外での同窓生皆様の活躍ぶりや会の活動を頼もしく拝見してきました。

 会の活動も私が幹事長を仰せつかっていた当時と較べ、支部組織の全国拡充や学部の教育研究活動への支援、「嵐丘庭」の寄贈等、格段に充実していることを大変嬉しく思います。

 農学部は五十嵐地区に移って半世紀になりますが、移転当初から校舎はキャンパスのほぼ中央の位置にあります。これは文系、理系、医歯学系等の枠を越え、総合大学の中軸として発展することを期待して設計されているように思われます。いま日本はロシアのウクライナ侵攻や気候変動等に起因する食料安全保障上の危機に直面し、国内生産基盤の強化による食料の安定供給が大きな課題となっています。日本の穀倉地帯・新潟の地で共に農学を学んだ同窓生への期待が高まっています。

 新潟大学農学部の卒業生は、この春(2023(令和5)年3月)9,677人に達し、間もなく1万人の大台を超えます。これを機に、同窓会の活動がさらに大きく躍動しますとともに、会員皆様のご健勝とご活躍を祈念し、お祝いにかえます。

70周年に寄せて

西村 元貴

俳優
2012(平成24)年卒

 農学部同窓会創立70周年、誠におめでとうございます。

 私は実家が農業を営んでいることもあり、2008(平成20)年に農業生産科学科に入学しました。3年次からは農業経営を専門とする研究室で西洋梨(ルレクチェ)の販売促進について学び、研究室のメンバーとの交流も大変充実していました。

 しかしある時、学部の先輩からのお誘いでモデルのお仕事をさせていただき、そのことがきっかけで、自分の体と心で表現することの面白さの虜になり、俳優の道を志すようになりました。農業分野とはまったくかけ離れた道に進むと決めた当時は不安もありましたが、研究室の教授や友人たちが背中を押してくれたことでよりいっそう決意が固まりました。そのおかげで今の自分があると思っています。そのような素晴らしい出会いがあった母校でのキャンパスライフは人生においてのターニングポイントであり、一生の宝ものです。

 現在私は、地元新潟県加茂市のPR大使をさせていただいております。今後も加茂市にとどまらず、新潟の魅力を全国にアピールすることで、微力ながら母校に恩返ししていけたら嬉しい限りです。最後に、卒業生・修了生の益々のご活躍と農学部同窓会のご発展を祈念しております。

沿革

                                   
1949(昭和24)年新潟大学開学・農学部発足(6月1日)
1953(昭和28)年第1回卒業生誕生(50名)
同窓会の創立、会則制定、初代会長 伊藤 武夫 農学部長
1974(昭和49)年新潟市五十嵐に新校舎完成、河渡より移転(7月1日)
嵐丘庭造成
役員改選 会長 江畑 正(第1回生 昭28農)
1987(昭和62)年同窓会創立35周年記念事業開催(8月22日)
(記念講演、記念誌『松涛特集号』発行、絵画の寄贈、祝賀会等)
1989(平成元)年特別会員として新潟農林専門学校卒業生(314名)加入
1990(平成2)年同窓会事務室を学部内に新設
   役員改選 会長 江畑 正
1992(平成4)年役員改選 会長 小林 一三 (第6回生 昭33林)
1993(平成5)年村松農場農専記念碑の移転完了、事務局及び事業執行体制の整備
1996(平成8)年役員改選 会長 小林 一三
2000(平成12)年役員改選 会長 小林 一三
2002(平成14)年同窓会創立50周年記念事業開催(9月14日)
(記念講演、『松涛』創立50周年記念号発行、祝賀会、募金等)
2004(平成16)年役員改選 会長 小林 一三
2008(平成20)年役員改選 会長 進藤 隆(第14回生 昭41農)
2011(平成23)年同窓会新潟県支部が発足(24年1月28日)
2012(平成24)年役員改選 会長 進藤 隆
2013(平成25)年同窓会創立60周年記念事業開催(6月8日)
・式典、記念講演(於:新潟大学附属図書館ライブラリーホール)
・祝賀会(於:ホテルオークラ新潟)
・松涛30号「創刊~創立60周年記念号までの復刻版」発行
・記念CD発行(農学部学生歌、新潟大学学生歌、四季の新潟など収録)
・校舎の耐震改修工事に伴い取り壊された「嵐丘庭」の復元、銘板設置
・同窓会功労者へ感謝状贈呈
2016(平成28)年役員改選 会長 渡辺 仁(第25回生 昭52農工)
2020(令和2)年役員改選 会長 渡辺 仁(再任)