黒野弘靖
工学部建築学講座
黒野 弘靖


 現在の旭町学術資料展示館は、正面の間口が9m高さが9mの正方形で、奥行きが14.4mのシンプルな直方体をなし、総二階建てです。一階腰に人造石を回し、その上部にスクラッチタイルの打ち込みがあります。一階から二階まで通した柱型や縦長の窓割りによって上昇感を表しています。また、正面中央の柱を高くして左右対称を強調しており、昭和初期に流行したネオ・ゴシック様式の特徴をよく伝えています。
 現存する建物の背後には、当初和洋折衷の木造部分がありましたが、老朽化により取り壊されました。現存する建物は、新潟市に残る最古級の、時代を映す鉄筋コンクリート建造物として、平成17年に国の登録有形文化財に認められました。
建設当時の建物外観図
建設当時の建物外観図。
左側の白の壁面部分が、
後年取り壊された木造部分に相当し、
集会や宿泊所として活用されていた。
(新潟師範学校記念館図面より(株)ことぶき提供)