資料で見る 新潟大学56年の図書館のあゆみ

旧医学部図書館を想う

荒川正昭
大学入試センター理事長・新潟県参与
前新潟大学学長 昭和35年医学部卒
荒川 正昭

 私が入学した昭和29年、戦前からの木造建築と戦後のプレハブ建築が立ち並ぶ旭町・西大畑キャンパスのなかで、洋風建築の医学部図書館は際立った存在でした。大学・大学院・無給副手時代を通じて、図書館は唯一の情報源であり、通うこと屡々でした。新刊閲覧室、書庫は薄暗く、稍黴臭かったのですが、その雰囲気は若い知的好奇心をかきたてました。また、雲上人であった教授の方々の傍で新刊を読むことは、興味以上に緊張感の連続でした。パソコン画面で全てを知りうる今でも図書館が存在するのは、それなりの理由がある筈です。温故知新、先達の苦悩の道を辿ることも新しい道を切り開く第一歩であります。

中央図書館新築移転の思い出

佐藤浩昭
附属図書館情報サービス課
佐藤 浩昭

 中央図書館は、大学開設と同時に発足しましたが、名ばかりで、図書も独自の建物もなく、中央図書館の新築は教職員・学生にとっては悲願の夢でした。そんな中、私は、昭和42年5月から開設された教養部図書室勤務となり、中央図書館新築後の学生用図書の整備充実に少ないスタッフで毎日業務を行っていました。教養部及び中央図書館の2度に渡る移転を経験し、図書のダンボールつめから運搬作業、配架作業と職員一丸となって行ったことは、苦労と共に良い思い出として残っています。中央図書館オープン後は、広い閲覧室に開架図書、研究個室等施設、設備が充実し、利用者から大変喜ばれたことを思い出しています。