特集 創生学部を迎えて

各学部同窓会の活動紹介この春、新潟大学に創生学部が新たに設置されました。4年後には最初の卒業生を迎えます。全学同窓会を中心に伝統ある各学部の同窓会が強く連携し、新しい仲間を迎え、支えていきたいと思います。創生学部の新設にあたって、各学部同窓会の連携強化とより一層の相互理解を深めるためにも、それぞれの同窓会の近況についてご紹介いたします。

人文・法・経済学部同窓会

 戦後の学制の下、新潟大学は国立大学一期校として誕生しました。
その時、現在の三学部はそれぞれに人文学部人文学科、法学科、経済学科としてスタートし、その後、分離独立して三学部が設立されました。その経緯から当同窓会は人文・法・経済学部同窓会と呼称しております(現在迄の卒業生約3万名)。
 その目的を母校の発展・会員相互の親睦・在学生の修学サポートに置いて活動しておりますが、取り分け修学サポートに重点を置いております。

  1. 修学環境の整備 〈時計塔寄贈、青松談話室設置〉
  2. 就学の助成 〈大学基金への奨学金寄付〉
  3. 勉学の補助 〈「青松」懸賞論文の募集〉
  4. 就活の手伝い 〈就活の為の話し方教室の開講、OBと学生の交流会の開催〉
  5. 卒業後の支援 〈会報「青松」の発行、支部の設立〉
 特に会員に納付頂いた浄財から平成23年~平成27年にかけて大学基金へ4千万円を拠出して独自の奨学金制度をつくり、経済的に就学困難な学生を援助しています。
 貸与された学生が卒業し、社会で活躍している事は同窓会として嬉しい限りです。

教育学部同窓会

輝くために努力する学生への支援~卒業制作展助成~

 教育学部同窓会では予算項目に「大学・学生支援費」を設けている。その対象として卒業制作展への助成がある。
 教育学部芸術環境創造課程書表現コースの平成28年度卒業生による卒業制作展は、平成29年2月17日(金)~2月19日(日)にかけて新潟県民会3階ギャラリーに於いて開催された。今回は伝統を引き継いで第65回となる。
 作品展のパンフレットに記された挨拶文と出品作品の一例を通して概要を紹介する。

〈卒業生の挨拶文より〉(一部省略)

 この度、私達17名は卒業の時を迎えるにあたり、4年間の集大成として「卒業制作展」を開催することになりました。縁あって日本各地からこの新潟の地に集い、お互いの個性を尊重し合い切磋琢磨することで、それぞれが成長してきました。この学生生活で得たものは色褪せずに、私達にとって一番星の如く輝き続ける宝になります。そして、4年間というかけがえのない日々の中で得た経験を胸に、次の目標に向かって歩んでいきます。

※各学年には自分達でつけた呼び名があって、この4年生は、一番星の意味をもつ「魁(かい)」と言う。(岡村浩教授より)

〈出品作品より〉

 何事も努力の継続を通してつかみ取っていくことが筋道である。卒業後も直近の問題解決に真摯に取り組みを重ねた者にやがて新しい宇宙が拓けてくる。
 出逢いと繋がりへの感謝からかざした新たな志の灯をいつか星の輝きとして認められることを念願する。
 「わたし」の中の心は誰にも平等で無限大の宇宙である。新しい宇宙で輝ける一番星を目指す学生への支援をこれからも、教育学部同窓会の本旨としていく。

理学部同窓会

理学部同窓会の活動

 理学部には数学、物理、化学、生物、地質科学、自然環境科学の6学科があり、長らく学科ごとに同窓会の活動が行われてきました。その後、理学部同窓会として一本化する機運が高まり、1991(平成3)年、各学科同窓会の「ゆるやかな連合体」として新たに理学部同窓会が発足しました。発足後も学科同窓会の自主性を重んじ、理学部同窓会は言わば各学科同窓会の連絡調整組織でした。新潟大学の法人化、全学同窓会設立の準備開始を契機として、理学部同窓会は2004(平成16)年になって完全に統合されました。伝統ある他学部の同窓会に比べると、1991(平成3)年の設立から27年目の“若い”同窓会と言えます。現在、各学科の同窓会、理学部首都圏同窓会は、それぞれの伝統や特色を活かしつつ理学部同窓会の支部として活動しています。理学部同窓会は各支部の基本的な運営に必要な経費を交付し、さらに各支部の有意義な活動・事業に対しては個別に補助金で支援しています。その他、理学部からの要請に基づいて、微力ながら理学部の活動、主に学生の学習や能力開発に関係する設備、図書、事業に対して支援を行っています。

 本年4月より6学科で構成された理学部は1学科に改組されました。かつての学科同窓会を引き継ぐ支部の活動を支えながらも、将来を見据えて支部の枠組みを超えた活動を企画し、応援したいと考えています。さらに、学生と同窓生との定期的交流、意見交換を行い、とくに1学科制移行後の卒業生にとって魅力のある同窓会組織にしたいと考えています。

医学部学士会

【有壬会とは】

 有壬会は医学部学士会の別称です。名付け親は放射線医学教室初代教授であった田宮知耻夫先生。中国『詩経』小雅にある「有壬有林」を引用し、壬は大、林は多く盛んなさまを表し、「大いなることあり、盛んなることあり」を意味するのだそうです。

【有壬記念学術奨励賞】

 医学研究を応援する目的で学術奨励賞が設けられ、優秀な研究を表彰しています。かなりの副賞もついています。平成28年度で第20回を数えました。どれもが世界に誇れる研究です。有壬会には本学以外を卒業した教職員も入会できますが、本奨励賞でも、立場による分け隔てなく、他大学卒の会員や、もちろん学外や海外で活躍している会員も受賞しています。

【有壬記念医学生奨励賞】

 学生の研究意欲を醸成する目的で平成25年に設けられました。在学中の医学生が全国学会で筆頭発表したり学術論文を発表することに対して、副賞として毎年総額100万円の奨励金を用意して、顕彰しています。

【有壬セミナー】

 学士会員のみならず、一般市民も参加できる市民公開講座も好評を頂いています。分野は医学にとどまらず、毎年様々な方々に講演していただきました。32回目となる今年のセミナーでは、9月9日新潟市民プラザで、公益財団法人徳川記念財団理事長徳川恒孝氏による「今日につなぐ江戸の遺伝子」と題する講演が予定されています。
 なお、今年度の全学同窓会交流会の幹事を医学部学士会が務めます。特別講演として、瀬田クリニック東京院長後藤重則先生(医学部卒)による「がんの免疫療法」の講演が予定されています。

医学部保健学科同窓会 南山会

医学部保健学科同窓会「南山会」の紹介

 医学部保健学科同窓会「南山会」は、看護学系「ときわ会」、放射線技術科学系「旭会」、検査技術科学系「砂山」の3分会が合同で運営しています。毎年、会報誌『轍迹(てつせき)』を発行し、同窓会員の活躍や学生の活動などを紹介しています。
 毎年行っている活動として、3分会とも在学生への就職支援を継続しています。在校生と卒業生の交流の場として「先輩と語る会」や講演会を開催し、双方から好評を得ています。就職して2~3年目の社会人となった先輩を囲み、国家試験対策や就職先選択へのアドバイス、そして就職後の実体験を聞き、近い将来の自分の姿と重ねているようです。学生の明るい表情から、同窓会として多少なりとも役に立てていると感じています。

 また、教育催事への協力として、保健学科研究雑誌発行への寄付を行うとともに、学び環境への支援として「保健学科教室のブラインド設置」や演習授業及び臨地実習に関わる環境整備への寄付など、小さな活動ですが、学生が教育目標を達成できるよう支援を行っています。2011年、2016年に発生した大地震の際には、保健学科の学務係と連携し、被災した学生を対象に書籍等の援助の申し出も行いました。
 3分会それぞれが同窓会員のニーズを探りながら、また協力しながら活動を行っています。

歯学部同窓会

歯学部同窓会の活動

 歯学部は歯科医師を養成する歯学科および歯科衛生士と社会福祉士の二資格を取得するための教育課程をもつ口腔生命福祉学科の二学科から構成されます。今春、歯学科は47期、口腔生命福祉学科は10期生が卒業し、両学科の卒業生約2,700名が歯学部同窓会の構成員となります。
 歯学部同窓会が行う事業の特色のひとつは、会員の多くが医療福祉系の職に就いているため、それらに対する支援に重点を置いていることです。具体的には主に歯科関係の講演や実習を定期で年4回、その他随時様々な学術企画を実施しています。また、卒直後の臨床研修医や女性会員に対する支援のため、準会員・臨床研修医支援部と女性会員支援部を設けました。前者は卒後間もない同窓生の将来不安等に対応するため、また後者は年々同窓生の女性比率が高くなるなか、未だ育児や家事などの負荷が女性に偏在し、また産休育休後の復職には大きな壁が存在する現状を鑑み、それらに対する支援を行うために新設したものです。
 この二部署が合同で行っているユニークな活動として、「はぴすまカフェ」をご紹介します。これは、卒直後会員や女性会員が気軽に交流できる場を設けるという趣旨で年に一度開催しているものです。直近の企画は「笑いヨガ」と題して、笑いヨガインストラクターの村山昭子氏を迎え、老若男女入り交じる同窓生が一同に大声とヨガで一体感を醸し出す場となりました。そして、はぴすまカフェのもう一つの楽しみはイベント後のランチタイムです。ちなみに、その前年の企画は「肩コリ 首コリ コリコリ解消!」、前々年は「健口くんとハーブの癒しで心も体もリフレッシュ!」でした(内容はタイトルからご想像ください)。

工学部同窓会 悠久会

工学部同窓会「悠久会」の活動

 工学部同窓会「悠久会」は、卒業生と在学生、現・旧教職員の会員約26,000名(H28.9現在)からなり、全国各地の卒業生の交流と工学部在学生の支援に関する活動を行っております。平成29年度の全国総会は、栃木県・鬼怒川温泉での開催となり、日光・尾瀬の一日観光も企画しております。全国28の地方支部では、支部総会を中心として各種行事を開催し、若手会員の各種行事参加拡充のための様々な試みがなされています。また、各種行事の折、会員の皆様に対して「新潟大学カード」を随時PRしています。
 悠久会では、卒業生向けの行事のほかに、在学生への各種支援事業に積極的に取り組んでいます。昭和60年度よりスタートした一般奨学金事業は、平成28年度は8名、過去三十余年で累計177名の学生に貸与され、学生の就学支援に貢献しております。東日本大震災の際には、被災家庭向けの緊急的な奨学金貸与も実施いたしました。また、学生の自主的な課外活動に対する支援事業も平成24年度より開始いたしました。平成28年度は「非産業用ロボットプロジェクト」、「NEXT.Formula Project」、「工学部祭を主催する新潟大学工学部学生自治会」、「ロボコンの科学技術研究部」、「新潟建築学生フォーラム.n」、「音響工学プロジェクト」の6団体に開催経費の一部を支援しました。これら学生支援を含めた同窓会の各種活動を周知し、在学生にその意義などを理解してもらうことを目的として、入学直後の1年生全員を対象とした「同窓会ガイダンス」を毎年実施しています。
 なお、平成35年度には工学部創立100周年の節目を迎えます。悠久会では、100周年記念事業の実施に向けて、今後準備を進めてまいります。皆様のご理解・ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。

農学部同窓会

学生と共に農学部同窓会100周年の森をめざし

 農学部同窓会60周年を記念し、農学部校舎の耐震工事に伴って大半が伐採された前庭、中庭(嵐丘庭)の造成・整備が行われました。造成・整備にあたっては“農学部らしさ”“帰属意識”そして“60周年+40年=100周年”をコンセプトとしています。
 農学部らしさは緑の環境を創造する学部であることが一目でわかるような空間の創造です。帰属意識は、若い世代の同窓生に同窓会の一員であるという意識が醸成されない現状をふまえ、在校生の時から同窓生、同窓会と縦横の繋がりをもてる場を構築しました。それには具体的に、設計の段階から積極的に在学生にも参加してもらいました。造成、その維持管理作業を在校生と同窓生が協働して行える機会を設けました。そして60周年+40年=100周年は、帰属意識とも重複しますが、嵐丘庭の再造成は出発点にすぎず、植栽された木々の成長とともに同窓会が発展していくための時間が演出されます。
 「嵐丘庭」は、完成されたきれいな庭ではなく、日々刻々と変化しながら育っていく森です。そこにはいつ訪れても新しい発見があり、常に新鮮な感動があります。

農学部図書室への支援

 農学部図書室に、農学部の学生が希望する図書を寄贈しました。この助成は自分たちの勉学に直ちに必要となる図書を身近において利用したいとの学生の希望で、学生の目線で選考してもらったものです。関係者からはサロン風の感覚で利用して欲しいとのことです。
 現在2年目で70冊が蔵書されています。

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