新潟大学には500名近い海外からの留学生が在籍しています。言葉も文化も習慣も異なる新潟で、留学生のみなさんは教職員、学生仲間、地域の方々との交流を通して、専門分野の学習・研究のみならず、多くのことを学び取っています。一方、図書館内に設置されている外国語学習支援スペース“FL-SALC(Foreign Language Self-Access Learning Center)” でのプログラム(留学生との英語・初修外国語での自由会話など)等を通じて、日本人学生のグローバル化にも貢献しています。

グローバル教育センターは、大学における教育のグローバル化を推進することを目的として設置され、留学生に対しては日本語教育部門において、各自の日本語能力に応じた日本語学習の授業を提供しています。約半年間の日本語学習ですが、集中した学習の効果なのか、留学生の日本語の上達の速さには驚かされます。

大学キャンパスでの学習や研究活動ばかりでなく、留学生が地域の中で生活するには、日本語でのコミュニケーションに加えて、日本や地域の伝統、文化、習慣などを理解することも重要です。その一助として、研修旅行、ホームステイ、地域のお祭りやお花見などに参加するプログラムも用意されています。日本や新潟地域の歴史、伝統文化等を直接体験することは、留学生にとって日本への理解が深まるばかりでなく、よい思い出にもなることでしょう。日本語の学習期間を終えると、それぞれの学部・大学院での学習・研究に進みますので、行事への参加は留学生同士の交流の場にもなっています。

国際交流のゆうべ

ホームステイ等の国際交流にご支援・ご協力をいただいている地域の方々、本学の外国人留学生・研究者および教職員が一同に会する交流会です。毎年開催しており、最近は2016年2月8日(月)に五十嵐キャンパス第一学生食堂で開催されました。当日は、中国・韓国駐新潟総領事館、地元自治体、関係市民団体および地域の方々等が招待され、外国人留学生、日本人学生、髙橋姿学長ほか教職員の学内参加者を合わせて、計235名が参加されました。

在校生・卒業生インタビュー

新潟大学に学んで

蘇 文鑫(ソ・ブンキン) 中国出身
(現代社会文化研究科2年)

春はしとやかなる桜、夏はうるわしき夜、秋は妖艶な紅葉、冬は冴えわたる雪景色。四季折々の風情を持つ新潟大学には落ち着きがあり、勉学環境が大変整っている大学です。私は国語学(国語史)の専攻で、指導教員の厳しくも温かいご指導で、日本語への理解を深め、研究を進めています。最近は、研究に繋がる漢文と近代文学の講義にも参加しました。先生方の熱心なご指導をいただき、たくさんの知識を吸収できました。また、大学生活の中で、母国とは違った日本人のゴミ分別や物の扱い方などに驚嘆しました。新潟大学では勉学だけでなく、環境造りへの意識と物を大切にする姿勢も学べます。 (日本語による寄稿)

新潟大学の研究環境

コロボチキナ・アリョーナ(Korobochkina Alena) ロシア出身
(現代社会文化研究科3年)

4年前、学位を取得するために、ロシア(サンクトペテルブルク市)から来て、新潟大学に入学したとき、私は勉強のための条件がいかに快適かを知り、深い感銘を受けました。大学のキャンパスが郊外にあるおかげで、各学生が自分の研究に集中することができると思います。研究室には自分の机やスペースがあるので、毎日朝から夜遅くまで勉強できます。
そして、図書館のおかげで、研究に必要な文献を得ることができます。文献が本学の図書館にない場合は、必要に応じて他大学の図書館から借りることができます。このシステムは非常に便利であり、研究のプロセスを高速化するだけでなく、その品質を改善することができると思います。
しかし、最も快適なことは、指導教員による協力・指導が十分であることです。論文の完成を目指して、指導教員との相談によって必要な情報、サポートを得ることもできます。新潟大学で勉強し、重要な研究成果を得られるようにしたいと思います。(日本語による寄稿)

国際ボランティアサークルの活動

三上 貴也
(国際ボランティアサークル代表、人文学部3年)

国際ボランティアサークルは、留学生と新大生の国際交流の促進と留学生の生活支援を目的として、約70名の仲間と日々活動しています。具体的な活動としては、日本人学生と留学生が日本語で交流する「にほんごチャット」、日本人学生と留学生がお互いの母語を教えあう「母語教室」、100名以上の学生が参加することもある「コーヒーアワー」等の活動があります。ほかにも卒業生から不要な家具を回収し、留学生に格安で販売する「ウェルカムバザー」の活動を1年に一度行っています。ほかにも多くの活動がありますが、これらの活動の企画運営が国際ボランティアサークルの活動内容です。日本での生活を有意義に楽しく過ごしてもらいたい!そんな思いで、サークルのメンバーと日々活動しています。
私はこのサークルに入って多くの留学生と交流することで、国際理解と異文化理解の重要性、人と人の縁の大切さに気付かされました。これからは、大学の中はもちろん、大学の外にも国際理解や異文化理解の輪を広げていきたいと思っています。少しでも多くの留学生に日本での生活を楽しく過ごしてもらうために、日本人学生に国際交流の楽しさ大切さを知ってもらうために、これからも頑張ります!

今も続く新潟大学との交流

ヤデナー・キャウ(Yadanar Kyaw) ミャンマー出身
ヤンゴン第二医科大学・教授(1999(平成11)年医学研究科修了)

私は1994年10月から1999年3月まで新潟大学で内藤眞教授のご指導の下、病理学を学び、また荒川正昭教授の下で内科学を学びました。この間、研究を通じて多くの先生方にお世話になりました。新潟大学では素晴らしい先生方、共同研究者に恵まれ、充実した日々を過ごしました。
1999年にミャンマーに戻り、私はヤンゴン総合病院に勤めました。2002年5月には日本の仏教クラブのご寄附もあって、ヤンゴン第二医科大学に呼吸器科を設置することができました。この年からインフルエンザ研究は始まり、現在まで日本との共同研究が続いております。内藤先生のご尽力により、多くの顕微鏡、医学書、医療機器も日本から寄附され、ヤンゴン総合病院における免疫組織化学的研究や病理診断も再始動しました。2005年にはミャンマー保健省と新潟大学との協力協定が調印され、さらに2009年には国立衛生研究所に国立インフルエンザセンターが発足しました。私は2011年にヤンゴン第二医科大学の教授となり、インフルエンザに関する研究、医療、人材育成を頑張っています。この度、母校の新潟大学がAMED(日本医療研究開発機構)のJ-GRID(感染症研究国際展開戦略プログラム「ミャンマーにおける呼吸器感染症制御へのアプローチ」、研究代表:齋藤玲子教授、期間:2016~2020年)に採択されましたので、日本とミャンマーの共同研究はさらに発展すると期待しております。
最後に、私とミャンマーのために種々のご支援、ご協力をいただいた日本の関係者に深く感謝申し上げます。

新潟大学への思い

ティワリ・ビノド(Tiwari Binod) ネパール出身
カリフォルニア州立大学フラトン校・教授(2003(平成15)年自然科学研究科修了)

私は1998年4月に新潟大学の自然科学研究科に入学し、2000年3月に修士号、2003年3月に博士号を取得しました。大学院生の5年間と合わせて6年間を新潟で過ごしました。その間の研究は昼夜を問わず、大変厳しいスケジュールでしたが、留学生仲間、研究室の学生・教員、新潟県ネパール協会の方々と新潟での生活も大いに楽しみました。当時設立した留学生会を主宰し、国際交流の活動も積極的に行いました。2004年にアメリカのバージニア工科大学でポスドクとして採用されました。充実した6年間を過ごした新潟を離れることに大きなためらいはありましたが、新潟での思い出を胸にアメリカで頑張ることにしました。その後、2006年8月にカリフォルニア州立大学フラトン校の土木工学の助教として採用されました。新潟大学時代に在籍していた研究室は海外との交流も盛んで、国際水準にありましたので、P.I.(研究主宰者)としてカリフォルニアで私自身の研究室を運営し、独自の研究課題を確立することに困難はありませんでした。結果として、テニュアトラックをクリアし、現職に就くこともできました。私の現在の研究活動は、地盤の地震工学、地すべり・斜面災害軽減、土砂移動に関する高度な理解、および防減災を考慮した社会の持続可能性等のテーマを扱っています。近い将来、新潟大学との共同研究を立ち上げて、母校に恩返し出来る日を楽しみにしております。

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