1949年国立大学として発足した新潟大学に、50年の歳月を経てようやく、2004年全学的な同窓会組織(連絡協議会)が発足し、それまで殆ど顧みられなかった卒業生からの全学的な学生支援、全学的な大学支援がはじめて実現可能になりました。
  全学同窓会では、各学部同窓会から推薦された運営委員が運営委員会を組織し、部会ごとにテーマを決め、新しい事業を検討しました。大学は本部建物に事務局スペースを提供し、同窓会活動を側面から支援しました。
  各学部同窓会は全学同窓会の事務局機能を賄うため、入学定員割合で毎年527万円を費用分担しました。このことにより、全ての卒業生の全学同窓会会費が自動免除されることになりました。

  2004年全学同窓会は、唯一の機関紙として広報紙(本紙)の発行を開始し、印刷費用を工面するため、企業名掲載を条件として企業から協賛会費を戴くようにしました。おかげで、卒業生の名簿を管理する学部同窓会が卒業生への配布に協力することで、独立採算で広報紙を発行できています。同年には全学同窓会HPも運用開始しました。

  2007年には、卒業生への便益と在校生への支援を目的として、入会費•年会費永年無料のゴールドカード型のクレジットカード「新潟大学カード」の発行を開始しました。様々な特典が自動付帯するだけでなく、卒業後に直ちに取得できるなど、他大学に類をみないカードで、既に3000人以上が入会しました。同年から卒業生向けに、一口2000円の賛助会費納入もお願いし始めました。毎年3000名以上の卒業生からの寄付金の大部分は、「雪華支援事業」(公募型)と「学生支援特別事業」の名目で、学生支援に充てられています(別表参照)。

  「雪華支援事業」はサークル活動を通じての学生支援(写真参照)で、新潟大学の学生の80%以上が何らかのサークルに加入していることを背景にしており、すべてのサークルは自由に応募できます。審査委員会を設け、慎重に助成対象を選定していますが、大会成績が振るわずとも社会貢献での申請も可能です。サークルに加入していない学生も少なからず居ることも考慮し、学生全員が利用する図書館への支援も重視しています。

  毎年学生サークル代表と懇談会を開催しており、学生側から提案のあった「筋力トレーニング」施設充実の要望に応え、2013年に学生支援特別事業として、トレーニング機器購入費用1000万円を新潟大学に寄付しました。各サークル OBも呼応して約200万円を寄付しました。これを受け、2015年新潟大学が専用のトレーニング施設を建設しました。学生は卒業生からの贈り物を大変に喜んでおり、卒業後には支援者の側に立ってくれることでしょう。


新潟大学オリエンテーリング部の世界選手権出場
(2014年度雪華支援事業)


新潟大学探検部のラフティング・ジュニアユース世界大会出場
(2014年度雪華支援事業)

  卒業生からの寄付(全学同窓会からの1000万円と運動系サークル OBからの200万円)で、怪我の防止や受傷後のリハビリを目的とする学生向けの筋力トレーニング機材を充実させることができました。効率よく運用できるようにと、新潟大学は専用のトレーニング室を体育館の隣に建設し、5月に竣工式典が催されました。運動系学生サークルは連携して共同で施設を運用し、サークル OBの協力も得て、将来の機器更新に備える計画です。

トレーニング室のスペース:約240平米